2023年10月9日、JR仙台駅に到着した東北新幹線「はやぶさ52号」の車両内で、薬品漏れが発生し4人が怪我をしたというニュースがありました。
消防が特種災害対応車やドクターカーなどあわせて32台を出動するという事態となっています。
怪我をする薬品ということでどのような薬品が漏れたのか気になったので調べてみました。
最後までお付き合いください。
東北新幹線「はやぶさ52号」の車内で薬品漏れが発生
速報で流れたニュースは仙台駅で人がごった返している様子に加え、新幹線に立ち上る煙を捉えた衝撃的な映像です。
黒いカバンから薬品が漏れているのを乗客が発見。
触ってしまったのか火傷をしているということです。
またカバンの持ち主から事情を聞いているということが分かっています。
漏れた薬品は?
火傷をする薬品ということでどのようなものがあるのか調べてみました。
厚生労働省のwebサイトよりでは薬傷・やけど対策についての記載があります。
- 漂白液(次亜塩素酸ナトリウム)
- 油洗浄用の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)
- 強アルカリ洗剤
- 硝酸
今回の事件で漏れたものは酸、アルカリ、金属塩、有機溶媒といったものが考えられます。
家庭で使用するものでは消毒剤、漂白剤、さび落とし、トイレ洗浄剤が同様に火傷を引き起こすものと知られています。
2023年10月9日、22時更新
TV朝日のニュースによると「試薬の硫酸」が小さな爆発を起こし漏れたとのことです。
もし薬品が手に付いた時はどうする?
薬品が手に着いた場合、早急に専門医に見てもらう必要があります。
薬品による火傷は化学熱傷と言われ、通常の火傷とは異なります。
早急に対応しないと深部まで到達してしまうことがあるため時間との勝負なので注意してください。
また、水を掛けると発火する薬品(禁水性物質)もあるため注意が必要です。
■酸によるもの
酸によるやけどは、通常浅いものです。発赤(ほっせき)やびらんを伴い、薬品の種類によっては緑黒色や暗褐色(硫酸)、黄褐色(硝酸、塩酸)、白色(フェノール)を呈します。
治療はまず、早急に大量の水で洗い流します。工業用、実験用のものですと、かなり強い酸ですので、最低30分は洗い流すようにします。家庭用のですと、成分が弱いのであまり問題にはなりませんが、かぶれたりもしますので、水で十分に洗い流します。
その後は、やけどと同じ治療をします。■アルカリによるもの
化学熱傷(薬品によるやけど)〔かがくねっしょう〕|家庭の医学|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト (jiji.com)
酸にくらべると、重症になりやすいといわれています。アルカリによるやけどは深く、蒼白(そうはく)でなめし皮のようになり、かなりの激痛を伴います。
これは、アルカリにより脂肪の酸化やたんぱく溶解をきたし、皮膚の深部まで入り込むためです。
治療は、酸と同様、大量の水で洗い流すことが大切です。その後はやけどの処置に準じた治療をおこないます。
いずれにしても、酸やアルカリによるやけどは、通常のやけどとは異なり、重症度がわかりにくいので、水で十分に洗い流したあと、医師に診てもらい、適切な処置を受けることが大切です。
山元修教授の論文は次のリンクから確認することができます。
まとめ
JR仙台駅に到着した東北新幹線「はやぶさ52号」の車両内で、薬品漏れが発生したニュースで漏れた薬品について調べた結果を紹介しました。
新幹線でこのような事故がなぜ起こったのか非常に気になるところです。
今後、事件の全容解明が待たれます。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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